新築の戸建てやマンションを購入したり自宅をリフォームをしたあとのフローリング。。
少しでも長く綺麗な状態を維持したいですよね。
そんな時にオススメなのが、フロアコーティング。
一昔前だとワックスが主流でしたが、最近ではワックスよりもフローリングの保護能力や耐久性や美しさに優れた「フロアコーティング」が人気を集めています。
実際にフロアコーティングの施工は、新築やリフォーム後など”フローリングが最もきれいな状態のとき”が最適と言われています。
新築購入時やリフォーム時に、施工会社から紹介されて初めて「フロアコーティング」という言葉を知る方も多いのではないでしょうか。
ただ、フロアコーティングをした方がいいと言われても・・
実際のところ本当にフローリングが長持ちするのか、効果はどのくらいなのか、高い費用を払ってまでする必要性はあるのか、、気になりますよね。
そこで今回はフロアコーティングの必要性やメリット・デメリットについてご紹介します。
目次
- 1、フロアコーティングとは?
- 2、フロアコーティングの種類
- 3、フロアコーティングを行うメリット
- 4、フロアコーティングを行うデメリット
- 5、ワックスフリーの床材にフロアコーティングは不要なの?
- 6、フロアコーティングはこんな人にオススメ
- まとめ
1、フロアコーティングとは?
名前の通り、床面をコーティングするものです。薬液で床の表面を薄い皮膜で覆うことで床を保護し、椅子の移動や日常生活での床面の傷や擦れを抑え、汚れが付着しても簡単に拭き取れるため清潔な状態を保ちやすくなります。
現状の状態を維持しやすくすることが目的なので、フロアコーティングの施工は新築時、入居前のタイミングがおすすめになります。
以前主流だった「ワックス」は、フロアコーティングに比べて硬度が出ず、傷の防止効果は低いです。半年に1度など定期的にワックスを塗り直すメンテナンスの必要があります。
一方でフロアコーティングは一度施工すると長いもので20年以上の耐久性があり、床面への効果もワックスより高いため、現在はワックスより主流になりつつあります。
住居だけでなく、商業施設や美術館、クリニックなどもフロアコーティングを施工する箇所が増えているようです。
衛生面から考えてもフロアコーティングは優れているため、必要性が高まりつつあります。
2、フロアコーティングの種類
フロアコーティングにはいくつか種類があります。
その中でも今回は主に使われている4つをご紹介します♪
それぞれ特徴や金額、目安の耐久年数もさまざまなのでそれぞれ比較してライフスタイルや目的に合う種類のコーティングを選びましょう。
①ガラスフロアコーティング
[耐久年数:約20年以上]
[費用:高い]
[強度:高い]
他のコーティングと比べて薄い膜でコーティングするため、フローリングの色味はほとんど変わりません。比較的新しい種類のフロアコーティングです。
耐久年数は業者にもよりますが長めの約20年以上です。フロアコーティングの種類中では耐久年数が長めで、最も強度が高いのが特徴です。強度が高いと傷がつきにくいため、ペットと暮らすお家やご家族の多いお家へおすすめです。
紫外線を遮断する効果もあるため、日焼けによるフローリングの劣化等も防ぎやすくなります。
ガラスフロアコーティングは種類によって「艶があるタイプ」や「艶が控えめなタイプ」があるため、他のインテリアに合う方を選んだりとお好みの表面を選択することができます。
一方で他のフロアコーティングと比べてガラスフロアコーティングはやや滑りやすい特徴があります。小さなお子様と過ごすご家庭は気をつけましょう。また、種類によっては塩素系の洗剤に弱い性質があるため、キッチンの床面にはおすすめできません。
耐久年数が長い分、価格も高額になります。70㎡で約30万円前後が相場です。
②UVフロアコーティング
[耐久年数:約20年以上]
[費用:最も高い]
[強度:高い]
耐久年数はこちらも長めの約20年以上です。
特殊な樹脂を床面へ塗布し、UV(紫外線)を照射して硬化させる施工方法です。他のコーティング剤は業者による施工後、乾燥させるためにそのまま数日時間を置く必要がありますが、UVコーティングはUV照射により瞬時に硬化するため、乾燥させる待ち時間は他と比べて短めの場合がほとんどです。
施工から入居までの期間が確保できない方も可能な施工方法です。
UVコーティングは皮膜が厚めのため強度が高く、耐熱性にも優れています。
艶、光沢が高いという特徴があるため、マットな質感やフローリング本来の質感を楽しみたい方はおすすめできません。
施工には専用のUV機器を使用するため、価格は高めの傾向で70㎡約30万円~が相場です。
③ウレタンフロアコーティング
[耐久年数:約3~10年ほど]
[費用:安価]
[強度:あり]
ウレタン樹脂を用いたフロアコーティングです。表面に適度な厚みを持たせることで摩擦による傷を防ぎます。
耐久年数は約3~10年と言われています。その分安価なため、フロアコーティングにコストをかけたくない方へおすすめです。70㎡で約15万円前後が相場です。
20年ほど前からある施工で、剥離や部分的な補修も可能です。
他のコーティングと比べると光沢が抑えられており、落ち着いた雰囲気で過ごしたい空間へおすすめです。
耐薬品性は低く、乾拭きと硬く絞ったタオルでの水拭き以外のお手入れは基本的にはできません。
④シリコンフロアコーティング
[耐久年数:約5~20年ほど、幅あり]
[費用:中間]
[強度:あり]
耐久性は約5~20年ほどで、トータルバランスのとれたコーティングとも言われています。
シリコン樹脂によりコーティングすることで摩擦から床面を守ります。また、滑り防止効果もしっかりあるため小さなお子様や高齢の方の住宅へおすすめのフロアコーティングです。
他のフロアコーティングと比べて光沢感が強く、一時期光沢のあるフローリングが流行し高い人気のあった種類です。長めの耐久性を謳っているものもありますが、数年でやや黄色く変色してしまったという報告もあるようです。70㎡で約20万円前後が相場です。
3、フロアコーティングを行うメリット
フロアコーティングは目に見えないものなので、必要性を感じられにくい施工の1つです。
今回はフロアコーティングの主なメリットである「長期の耐性強化」「日々の掃除作業の軽減」「艶感・防滑性」の3つをご紹介します。
まず、フロアコーティングの最大のメリットは床面の「長期の耐性強化」です。
新築時のきれいな状態を長期間保ちやすくなります。完全に傷や劣化を防ぐことはできませんが、フロアコーティングにより普段の生活による擦れや椅子の出し引きによる傷は大きく抑えられます。
いったん床面が傷ついてしまうと、元のきれいな状態にするにはリフォームによる張り替えが必要になってしまいます。
新築購入数年後、売りに出すときに床面の傷が目立ってしまっていたら資産価値が下がってしまう可能性があります。
また、賃貸として貸し出す場合にも同じことが言えます。傷の少ない状態をより長くキープすることで気持ちよく暮らすことができますし、売買や貸し出す場合にもメリットを感じられそうです。
2つ目のメリットは「日々の掃除作業の軽減」です。
フロアコーティングをしていれば、食べこぼしや飲みこぼしがあっても軽く拭き取ることで汚れを落とすことができます。
フロアコーティングをしていない床面は、日常生活での擦れにより小さな傷が付いてしまい、その傷へ汚れが溜まっていきやすくなります。
その面をタオルなどで擦って拭き取ろうとしても、汚れが傷の中へ余計に入っていってしまいます。フロアコーティングをすることで床面への傷がつきにくくなるため、拭き取ることにより簡単に汚れが取れ、汚れを残しにくくなり清潔に保つことができます。
また、フローリングの種類によっては水拭きができない素材もありますが、フロアコーティングを施工することで固く絞ったタオルでの水拭きやスチームモップでのお手入れが可能になる種類もあります。コーティングによりお手入れしやすく、衛生面も安心です。
3つ目のメリットの「艶感・防滑性」は、暮らす人やペットに対するメリットです。
フロアコーティングの薬剤を塗布するととで薬剤の種類にもよりますが、表面に艶感が出て高級感が増したり、日光や照明の反射で明るい空間に感じられるようにもなります。同じ色味のフローリングでも、艶感によりお部屋の印象は大きく変わってきます。
住宅に最適な適度な艶感になるので、テカテカした光沢のある体育館の床に近いほどの施工がなされることは近年はほとんどありません。
住宅のインテリアと相性の良い、清潔感の感じられる艶感を得ることができます。コーティングの種類によって施工後の艶感は違ってきますので、事前に施工サンプルで艶感を確認しましょう。
また、こちらもコーティングの種類によりますが、滑りにくさもアップします。よりグリップが効きやすくなるため、特に小さなお子様や高齢の方の転倒防止にも繋がる可能性があります。ペットのいるご家庭は、ペットへの負担軽減にも繋がるため、家族みんなにやさしい機能です。
4、フロアコーティングを行うデメリット
考えられるデメリットとして「費用が高額」「剥離・再施工が困難」「完全な傷防止は不可」の3点をご紹介します。
まずデメリットとしてあげられるのは「費用」です。
フロアコーティングの費用は、コーティングの種類にもよりますが1部屋10~20万円、30万円以上になるものもあるため、費用面から施工を躊躇する方もいらっしゃいます。ただ1度コーティングを施工するとその後数年はコーティングの効果が期待できますし、コーティングに対しての特別なお手入れは必要ありません。
一方でフロアコーティングを施工していないと、床の材質によっては年に数回ワックス掛けが必要であったり、床の表面についた傷へ汚れが入り込みやすくなるため定期的にしっかりとお掃除をする必要があります。
床面の状態を保ち清潔に維持するためのランニングコストや手間を考えると、フロアコーティングは決して高くない価格であることがわかります。
ただ、定期的にしっかりお掃除をされる方の場合は金額に対して必要性を感じられない方もいらっしゃいます。
2つ目のデメリットは「剥離・再施工が困難」ということです。
フロアコーティングの種類にもよりますが、ほとんどのコーティングはいったんコーティングを施工すると剥離ができません。施工後、仕上がりが思っていた以上に艶が出て艶感を消したい場合や、施工後数年経過して別のコーティングを新たに施工したくなったときに、元のコーティングの剥離が必要になる場合があります。
また、同じ種類のコーティングでも性質上再施工ができないものもあります。再施工が可能であっても、床に置いている家具をすべて移動させ床をきれいに掃除し、業者による施工、乾燥までに数日時間が必要になるため施工のお部屋はしばらく使えません。再施工や入居後のフロアコーティングの施工は生活に負担がかかりそうです。
3つ目のデメリットは「完全な傷防止は不可」という点です。
強度の強い種類のフロアコーティングもありますが、フロアコーティングは傷や汚れを完全に防ぐものではありません。床面へ硬く重いものを落下させると傷や凹みが付く可能性はあります。ただ、日常生活における物の落下やスリッパなどによる擦れ、椅子の出し引きによる傷などはコーティングの効果を発揮します。そしてどの種類も目安の耐久年数があり日頃の特別なお手入れは必要ありませんが、時間が経つにつれて徐々にコーティング効果は薄れていきます。
5、ワックスフリーの床材にフロアコーティングは不要なの?
最近のフローリングはワックスフリーが多いってほんと?
フローリングは、大きく分けて以下の2種類に分けられます。
- 単相フローリング
- 複合フローリング
単相フローリング・・・1枚板からなるフローリングのことです。「無垢のフローリング」はこちらに含まれます。
無垢のフローリングは数ヶ月に1度程度のワックス掛けなどの定期的なお手入れが必要な場合がほとんどです。
複合フローリング・・・近年増えてきているフローリング。複数の板からなるフローリングで、表面に木目をプリントしたシートを貼ったものも存在します。
このシートフローリングは、表面加工により「ワックスフリー」である商品がほとんどです。
ワックスフリーのフローリングとは?
ワックスフリーのフローリングならフロアコーティングも必要性がないと想像する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ワックスとフロアコーティングは別物です。
ワックスフリーのフローリングでも、フロアコーティングにより効果は得られます。
ワックスも床面を守る目的ですが、ワックスを塗布するとやわらかい被膜で床面を覆っている状態になります。一方フロアコーティングは硬い被膜で覆うため、ワックスと比べて傷の付きにくさは格段に上がります。ワックスフリーのフローリングでも傷は付きやすい状態なので、傷をつけたくない方にはフロアコーティングの施工はおすすめです。
また、ワックスフリーフローリングの表面のシートには木目がプリントされているので、プリント処理により表面には目に見えない凹凸がある状態です。
このシートの小さな凹凸部分には汚れが入り込みやすく、汚れを拭き取ろうとしても凹凸部分に入り込んでしまって余計に汚れが溜まりやすい状態になってしまいます。
シートフローリングにフロアコーティングをすることで、表面の小さな凹凸がフラット状態になり汚れが溜まりにくく拭き取りやすい状態がキープできます。
6、フロアコーティングはこんな人にオススメ
日々のお掃除の手間を少なくしたい方、床面を清潔に保ちたい方、新築時のきれいな状態を長くキープしたい方には特におすすめです。費用は高く感じられるかもしれませんが、長期目線で考えるとメリットは大きいのではないでしょうか。
一方で、お掃除が好きで定期的にしっかりお掃除をされる方、傷があまり気にならない方はフロアコーティングの必要性を感じられない可能性が高いのでおすすめできません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。フロアコーティング施工により、フローリングのきれいな状態を長く保ちやすくなります。傷を気にしなくて済む点やお掃除も楽になるため、毎日の暮らしが快適に感じる方もいらっしゃるはずです。
一方で、お掃除をしっかりされる習慣がある方や、費用面にややネックを感じる方もいらっしゃると思います。
フロアコーティングにはいくつか種類があるため、自分のライフスタイルを考慮したフロアコーティグの必要性や、施工の場合はどの種類が自分にとって最適かを考えてから依頼しましょう。
参照:Praemio